第三次安倍政権となる岸田“傀儡”政権
①政治のみならず、社会全体から安倍的なるものを一掃しないかぎり、日本は健全さを失くしたままだろう。
② 自由民主は、極端にいうなら擬似家族政党だ。助けあいといえば聞こえはいいが要は持たれあい、身内の庇いあいだ。不正や腐敗が暴かれることはなく、むしろ秘密を共有し合うことによって絆も深まるという組織。その家族的な結合を、安心の要素と錯覚する層が一定数おり、それが自民（による支配）を生き長らえさせている。
③安倍的なものを温存しているほうが居心地よい、と感じる人が一定数いるかぎり世の中は良くならない。それは罪を認めなくてもよい、責任を取らなくてもよい「いい加減」な社会を是認することだ。アベノミクスで経済的恩恵を受けた層よりも、むしろそうした心性が、安倍的統治を支えているのかもしれない（Twitterより一部を加筆修正）。
分かりやすく書き直そうか。
家庭内に「バカ息子」がいるとするじゃない。母親は甘やかされた愚かな息子を庇おうとするよね？ うちの子は悪くない、と。たとえ学校でいじめに加担していようが、コンビニで万引きしていようが、そんな悪さをする子じゃありません、と絶対に罪を認めようとしない。
それと同じだ。今の自民がやっていることは。悪事を悪事と、罪を罪と認めない態度が、岸田の人事に露骨に表れている。
だって、甘利明が幹事長、
甘利氏を巡っては、都市再生機構（UR）との補償交渉を巡り建設会社から口利きを頼まれた当時の秘書が現金500万円を受領し、甘利氏本人も大臣室などで100万円を受け取ったとされる。甘利氏と秘書はあっせん利得処罰法違反と政治資金規正法違反の疑いで刑事告発されたが、東京地検は容疑不十分で不起訴とした【毎日】
ですよ。そんな人に党の金庫を預けて、采配を任せるとは正気の沙汰ではない、と呆れるけれども自民党内で甘利氏の疑惑は「なかったこと」にされているのだろう。なんとも寛大なことだ。
ところが、その寛大さに、甘えの構造にホッとする人が少なくないんだよ。自民党の支持者って「昔のことは水に流そうや」が好きなんだ。政権与党が過日の誤りを認めず、腐敗構造を是認しているかぎり、崩壊しつつある我が一家が、あるいは我が社が咎められることもない、と承認されたような気分になるんだろうな。
ソフトコーティングしたな、という印象です。知人の自民党支持者は岸田に決まって「ホッとした」といいました。自民党を好む人たちは「安定」が好きなんです。たとえそれが見せかけの安定だとしても彼らの意識は変わりません（Twitterより）。
でも、それは錯覚だから。
で、党内の腐敗を暴こうとしただけで、自民は冷遇し、排除の構えを露骨にみせる。石破茂がそうだったし、今回だと河野太郎がそうだと見做された。河野本人に安倍の悪事（森友・加計・桜を見る会のモリカケサクラ）を再調査するつもりはさらさらなくたって、アイツは何をしでかすかわからない。暴露のおそれがあるから爪弾きにする。その構造は不変だ。
言っておくが私は、河野太郎を買っていないよ。ただ、石破茂が河野を担いだ時点で、河野が総裁になることを自民党は全力で阻止するだろうな、と思ってはいた。
それは「兄さんはおかしいよ、ちゃんといじめを認めて相手に謝んなきゃ。万引きしたんならお店に弁償しなけりゃ」と正論を唱える次男坊が、あべこべに親から嫌われ、諌められる構図に似ている。
一家の恥辱を世間様にさらすわけにはいかない、の論理。私が自由民主党を擬似家族政党だと指摘する所以である。
そしてその構造の恩恵を最大に受けるのが、わー国のバカ息子、安倍晋三その人である。安倍は自分の身が安泰であることしか頭にない。さらに党の構成員である議員連は、保身の固まりである愚者をキングメーカーに据えることが、わが党を保守、維持することだと考えている。
そういった、
岸田文雄を党の総裁に推しあげた党内の力学なるものは、じつに滑稽で、愚かで、見苦しい、互いを庇いあう、幼稚な精神構造に起因していた。
日本国民は、その因習を、縁故主義の悪癖を断ち切らなければならない。でなければ国家の再生などありえない。が、国家の屋外からそのことを訴えても、国家の内にいる家族は、耳を塞ぎ、忠告を聞き入れようとしない。
これまでも。そしてこれからも。
そして野党は、自民とは別の道を選び、違う価値観を備え、真摯に訴えるべきなのです。
鰯 (Sardine) 2021/10/01
