そこに傾注するのが常道ではないか。
私は、他にも審議しなければならない議題は多々あるけれども、臨時国会における立憲/共産の質疑は日本学術会議任命介入の一件に集中すべきだと思う。
1.日本学術会議任命介入の件は与党による撒き餌で野党への目くらましだとする意見がある。そう疑いたければ疑えばいいが、無視して済ます問題でもないだろう。騒ぎの裏で政府が何かを企んでいる、と君たちが思うのなら、そっちで批判すればいい。邪魔はしない。必要あらば協力もする。だから水を差さないでくれ。10/5
野党は学術会議の問題ばかりにかまけて他が疎かになっていないか、という意見への「エアリプ」。
「日本学術会議で働くと年金」バイキングが誤解説と批判殺到 | 女性自身
2.これはすぐれた記事だ。平井文夫フジテレビ報道局解説委員室上席解説委員が公共の電波を使ってあからさまな虚偽を伝播したことがよく分かる。何がよくないのかがいまいち分からない方はこれを読んで。 10/6
今週、唯一buzzった記事紹介ツイート。
3.政治の介入など学界では前々から進行していたこと、何をいまさら新参者がニワカの一丁噛みを、と拗れる気持ちは分からなくもないですが、学者の皆様におかれましてはどうかここはひとつ、政権による任命拒否に反対、という最低ラインを支持していただけたらとお願いいたします。10/7
対岸の火事みたいな傍観的態度をあえてとる学者の方が幾人が目についたので。
4.下村議員の動きなんかをみても、政府と自民党が「日本学術会議のあり方問題」へとシフトチェンジしていますね。あらかじめの筋道だとはとても思えませんが、この陽動にまんまと乗せられる向きもかなりいて、大衆心理とはかくもたやすく操られるものかと背筋を震わせています。10/8
『100日で崩壊する政権』の著者、ぼうごなつこ氏へのリプライ。
5.そんなことより今は◯◯だ(◯の中には経済でも景気でも何でもご自由に)、前向きで建設的な提言をしようよといいながら、批判を避け、不正を見過ごしてきた結果が今この国の体たらく、社会のありさまだ。任命拒否は問題にしてもこの際だから学術会議のあり方を見直そう〜的な提案型稀釈もその変奏曲。
<官邸、2018年に山極前学術会議会長が選出根拠の説明を要望するも「会う必要ない」と門前払い>の報道に対して、
6.政府の邪魔をする者は排除するの姿勢は安倍政権のころから連綿と続いているということだ。トップが気に入らないと思えば独立機関であっても官邸は容赦なく人事に介入する。聞く耳を持たない。
7.ぼくなんか<この件を政治だけで切ってる人>の典型だろうね。<学術組織の生態系というものを知らない>から<「政府の介入がこれでますます〜」と>いう切り口からでしかアプローチできないんだよ。まあ、政府のせいで学術会議が窮地に追いこまれる現状を見るにみかねての思いだけなのかもしれんが。
8.何度もいうけど、これは学術の世界に限った問題ではない。この手法はどこまでも援用が可能だ。政治が直接わたしたち民に人事権を行使することはないだろうが、為政者が示す非情の姿は容易に模倣できるもので、この「理由なき人事介入」が民間に降りてきて、「理由なき解雇」へと発展するおそれがある。
9.もちろん「悪の正体」はひとりの人格に集約されるものではない。けれども、リーダーの判断や意思決定は、その特定できない不可視の正体を統合する役割を担う。安倍晋三や菅義偉を政治の世界から退場させても、さほど事態は変わらないかもしれない。が、のさばらせておくほど価値のある連中じゃないだろ? 10/9
<政府に都合の悪い学者を排除する菅政権のやり方>が問題だというのに、そこを回避しようとする言説が多すぎるので。
10.今回の政権による学術会議への人事介入・任命拒否・排除については、一種の思想統制であり、弾圧といっても過言ではないと思う。
11.話をそっちに持っていくとややこしくなるから、という意見も理解はできるけれども、政府のチラつかせる統制の構えを指摘しないで手続き論に終始するだけでは、この問題の根本には到達しない。今後「芋づる式に」恣意的な排除が展開されかねない。ここはまさに民主主義の瓦解を食い止める正念場なんだ。
<なぜ学術会議会員みずから抗議の声明を出さないのか疑問>のに問いに対して。
12.あるいは学術の生態を理解しない一般人が政治的な切り口で勝手にね。連帯しにくい方々だとは想像するけど、事は左派の学者のみならず加藤陽子氏のような中道の学者にも及んでいるわけだから現役の会員が総出で立ち上がってほしいと外野としては思うわけです。
13.しかし、<日本学術会議任命見送り問題」と「黒川検事長定年延長問題」に共通する構図(by郷原信郎)>として、当事者たる現役会員が声をあげるのは難しいと思います。ぼくは外野が問題を鎮静化させないことで、野党が臨時国会での焦点にもち込み、参考人招致させるのが一番よいのではないかと考えています。
14.これは学術会議のあり方の問題ではなく、いやむしろ政治のあり方に問題があるのだから、政治的な考察をすることも必要だし、まして内閣の問題は立法府で質すのが本来であるとぼくは思うのです。
15.共産や立憲民主が「学術会議任命拒否問題追及党」に特化するのも致し方ないと思う。一種の突破口というか、そこに政権交代の鍵が潜んでいるというか。※
違うというなら、他の野党が別の方法を探るしかないね。で、別の鍵を握っている野党は、ぼくが今みたところ唯一つだけだな。れいわ新選組。
ふたたびぼうごなつこ氏へのリプライ。
16.学界から言論界隈、さらには一般ネット民までそっち(イデオロギー)が表面化するのを異様に警戒する傾向があって。でも、安倍〜菅政権が自分らに都合のわるい提言者をことごとく排していることは言わずもがな、見ての通りだから。共産や立憲の支持者ではないぼくも、これには徹底的に抗いたいですね。
17.日本学術会議問題、任命拒否をしたのは誰か?|馬の眼 ishtarist ←必読の記事。
<日本学術会議への人事介入を阻止するためには、最大の当事者である安倍前首相の責任追及が、どうしても必要>
安倍晋三(議員を国会に)証人喚問しようという意見に賛同する。
18.国会に安倍晋三議員を呼んで質問することを妨げはしないよね? 自民党国対は。10/10
翌日11日、BS朝日の『激論クロスファイア』という討論番組を観ていた。私は、
19.山下貴司、ひどいな。元法務相とは思えない、法的認識の欠如だ。苦しくなると、日本学術会議はノーベル賞学者を一人しか輩出していないときた。とんでもない論点ずらし。10/11
と投稿したが、蓮舫議員(立憲民主)と田村智子議員(共産)は、山下貴司議員(自民)を完全に圧倒していた。蓮舫の舌鋒は鋭くまさに水を得た魚のようだし、タムトモが怜悧な風情で論の理路を補強する。この連携は見事で、私はこれを「国会」で観たい。在京既存報道各社がいかに恣意的に切りとろうと(記者クラブの記者諸君みたいに黙りこむことなく)議事録が残る国会の席上で菅義偉を問い詰めてほしい。だから私は<共産や立憲民主が「学術会議任命拒否問題追及党」に特化する※>ことを否定しないのだ。議員の得意分野で一点突破すればいいと思う。
6人の学者を任命拒否した理由、私はそれを行政府の長となった菅の口から聞きたい。矛盾を指摘したり証拠を突きつけたりしても彼は決して口を割らないだろうし、「問題にはあたらない」「適切に判断した」等の強弁と開き直りで質問をしりぞけようとするだろう。
が、
それでいい、今はそれでかまわない。70%もの高支持率を誇る菅義偉が、どんなに姑息で、狭量で、一国のリーダーにふさわしくない人物であるのかが、10月末からの臨時国会で、あきらかになるのであれば。
鰯 (Sardine) 2020/10/12