ステルス返信

定期的にやってくる、「Twitterが億劫になった」病。そういう時はしばらく投稿を控えるのが常だった。

れいわ新撰組の代表山本太郎氏が、消費税減税の勉強会「減税研究会」に高橋洋一氏を講師に呼んだことで、Twitterの“野党”クラスタは騒然、山本太郎が街頭演説で高橋洋一を講師に呼んだ理由を説明したにもかかわらず、それでは不足だと言わんばかりに、ちゃんと説明しろと喧しい状況だ（たぶん、説明せよと言い募る方は、山本太郎が「高橋氏を呼んだのは間違っていました」と謝罪せぬかぎり、納得しないだろう）。

私は山本太郎の街頭演説を2度観に行ったし、れいわ新撰組に寄付もしているから、支持者の一員には間違いない。その上、高橋洋一のようなリフレ派の経済学者は肌に合わない（だって、森ゆう子議員を苦しめる「政策工房」の代表だよ？ 嫌いに決まってるじゃん）。よりにもよってあんなヤツを講師に呼ぶなんて何を考えているんだ？　の思いは強い。

が、それを表だって「表明」すれば、きっと「支持者ならばなおさら批判すべきだ」という反応が返ってくるに違いない。調子の良い時なら応答するけれども、師走はリアルで忙しいし、体調も優れない。この件であまり目立ちたくないのだ。

そこで私は、ひじょうに小狡い立ち振る舞いをすることにした。自分と近しいアカウントに、返信の形で、自分なりの意見を書き表してみた。いわば、ステルス返信だけども、それらをここMediumに並べてみれば、この件についての鰯の立ち位置（口の悪いりっけん支持者によれば“鰯しぐさ”）が、ある程度は掴めるのではないか、と思う。

【11月29日】

①同感。好き嫌いでいうなら、高橋某は小藪某と同じくらい人間性に問題あり。よく同席できるなあと思う。

②つまり……例外なく「そりゃないわ」と脱力したクチですし、高橋洋一がレントシーカーであるのは論を待たないわけではありますが、「ほら見たことか」と鬼の首をとったようにはしゃぐ党派性の力学にしか興味のないイデオローグや、威勢のいい一年生議員※の振付師たちとは距離を置きたいです、ぼくは。

③同感。なんだけど、「勉強会」の意図とは裏腹に、このことが予想もつかないエフェクトを生むかもしれない、政策工房／万年野党（ふざけた名前だ）グループの分裂・瓦解を呼ぶのではないか、という期待も心の片隅にあります。山本太郎を庇うつもりはありませんが、返信の形で覚書を認めておきます。

【11月30日】

④はい。山本太郎が弱者の側に立つスタンスを維持するならば、自ずと答えは導けられるはず。ぼくは騒がず静観します。

⑤いや、挽回はじゅうぶん可能だとぼくは思います（詳しく説明する余裕が今はないので結論のみ）。

【12月1日】

⑥挽回不可能な不寛容社会を固定化させているのは、むしろ“彼ら”ではないかと思う。

⑦ αツイッタラーの若い方々が政治に潔癖を求めるのは当然だし、山本太郎に失望したと宣言するも各個の自由だと思います。が、高橋洋一を日頃から批判していたなら兎も角、彼奴を勉強会に呼んだ山本太郎“のみ”を叩くのは、安倍の悪事を碌に扱わず野党ばかりを叩くマスコミとあまり変わらぬ気が致します。

⑧ 同感。政治家に寄りかからず価値観を同一化し過ぎぬように心がけたいもの。山本に（あるいは枝野に）裏切られたと感じるのは各人の勝手だけど、そう思うなら支持しなければ済むこと。わざわざ大声で喚く必要はない。それでも誰に一票を投じるべきかを選択する時が早晩くるのだから、ぼくは静観します。

⑨政治家の言動に無謬を求める向きが多いですね。現政権を見てたらそう感じるのも無理はないけど、山本太郎に安倍と同じ強度の罵声を浴びせる人は事の軽重が測れないのかな？　折角だから平蔵やら秀臣やら泰之やらリフレ派の学者を全員呼んで「相対する手の内を勉強する会」にすれば良いのにと思います。

こうして並べてみると、つけ加える事柄は殆どない。今回の一件を致命的失敗だと断ずる短兵急な意見や山本太郎のやること為すことなら無条件に擁護する意見のどちらにも与したくない。あと、今回の勉強会にいち早く不参加を表明した石垣のりこ議員※について、あまり好い印象を持っていないことも、この場を借りて断っておく。

以上、Medium読者が全く興味を示さないであろう内容をしたためておきました。ではね。鰯 (Sardine) 2019/12/02