岩下 啓亮
3 min readAug 18, 2019

精霊? まさか!

いとこのダンナで友だちが肺がんで亡くなった。まだ62歳だった。

葬儀は簡素だったが、式のあいだ彼の好きなイーグルスが、ずっと流れていた。「ならず者」が流れたときは、さすがに目頭が熱くなった。

帰途、山江のサービスエリアでスマフォをのぞくと、私のツイートがbuzzっていた(RT1万越えはさすがに初めてだ)。

人吉から八代までの高速道路は、23ものトンネルが続く。6キロ強にもおよぶ肥後トンネルをくぐっている間、私は〈はやく次のサービスエリアにたどり着かないかな〉ばかりを考えていた。

坂本のパーキングで、しばらく眠った。

市民連合という市民団体が、参院選前に五野党に提案した「要望書」が、局地的にだが話題になっている。それに基づいた合意が交わされたか、どうか?各党首代表の署名はあるが、実際に要望書を作成した市民連合側の代表者(一般に山口二郎法政大教授と目されているが、具体的に動いたのは元SEALDsの諏訪原健氏だろうか?)のサインはない。国民民主党はこのときの約束を反故にしたと非難されているが、岸本選対委員長は確認のサインをしただけだという。はて、このような要望書に政策協定合意書としての拘束力が発生するのだろうか?(という話題だ。)

精霊みたいなものだ、と高橋健太郎氏は評した。<「精霊」が野党五党を「和」に導いたのだ。「霊和デモクラシー」だよ、つまり。>とは、立憲民主党の主導を仄めかす辛らつな指摘だ。精霊=spiritの正体を探るのは野暮なことなのか。昭和天皇の戦争責任を明確にするのが憚られるように、市民連合もまたオブスキュアなヴェールに包まれている(私は詳らかにすべきだと考えるが、おそらく市民連合側から経緯の説明がなされることはないだろう)。

精霊か……

夜半に目が覚めた私は独りごちる。

スピリチュアルに包まれた日本は、八百万の神々がそこかしこに宿っているそうだ。

ほんとうにそうだろうか?

精霊がいたずらに文書を作成したというのか?

火葬された彼の遺骨を思いだす。

いずれ私も焼却されて土に還る。

今このテキストを書く私の精神はどこへ消えるのだろう?

精霊となって、インターネットの世界を漂流するのだろうか?

明確な答えを導けぬまま、今年たぶん一番ひんぱんに聴いている作品に、今夜も身を委ねようと思う。

ライの『スピリット』。デリケートな音響の処理に、制作者の工夫と情熱を感じる。聴けばきくほど、作り手の知性がうかがえる、すばらしい“シングル”だ。

8曲、27分41秒。沈思黙考を促す音楽を。

鰯 (Sardine) 2019/08/19

岩下 啓亮
岩下 啓亮

Written by 岩下 啓亮

鰯です。熊本在住。イワシ(Sardine)とお呼びください。Mediumを日本語と英語の練習帖として活用しようと思う。Medium以外では、こちらを回遊しています。Twitter → @iwashi_dokuhaku はてなブログ『鰯の独白』→ kp4323w3255b5t267.hatenablog.com

No responses yet