私はSpotifyを使って音楽を気軽に楽しんでいる。だが、ときどき自分なりの流れで曲を聴きたくなる。
そこでプレイリストを編んでいる。好きな曲を順番に並べてタイトルをつけるという果てしなく自己満足の行為だ。
基本的には自分のために作っているプレイリストだが、たまには自分以外の誰かが聞いてくれることもある。
以前作成したジョー・ジャクソンのプレイリストには、10人のいいねがついた。これは少なくとも10人が聞いたか、選曲をおもしろいと評価してくれたのだと思う。
プレイリストを作っていて気がつくことがある。それは、自分の好ましく思っていた曲が必ずしも優れた曲とは限らないということだ。好きだから選んでみたものの、どうも流れにそぐわず、意外とつまらなく感じる場合も多い。そのときは迷わずリストから省く。あるいは、以前それほど好きではなかった曲を挿入してみたら、それぞれの曲が突如いきいきと輝く場合もある。曲順はホントに重要だ。
例えば、このリストは、ずいぶんいろんな曲を出したり入れたりしてみたが、後半、デヴィッド・リンドレーの「マーキュリー・ブルース」を加えてみたら、全体がぐっと引き締まったように思う。
と同時に、デヴィッド・リンドレーとエル・ラーヨ・エキス(やロス・ロボス)の魅力を再発見したりもした。発表された当時は、それらを良いとは感じなかったのだ。でも、今では分かる。重心の低いボトムの推進力が半端なく凄い、のだ。
余談。故・松原みき「真夜中のドア」の再生回数が頭抜けて多いという報道をみて、どれ私も80年代国産シティポップスのプレイリストを作ってみるかと思いたち、大貫妙子や亜蘭知子や畑中葉子(!)を並べてみたものの、やっぱり自分は洗練されたシティポップスの類が今いち苦手なんだなとあらためて気づいて消去した。他に優れたプレイリストが既にあるからね。→“Tokyo City Pop” https://open.spotify.com/user/spotify/playlist/37i9dQZF1DX4CovPIZya4z?si=ahvvH_DcTOCF5UTlTjqgzQ
ところで最近、ふたつのプレイリストを作った。
一つは、ビートルズでジョージ・ハリスンが作った曲だけを時代順に並べたもの。
もう一つは、トッド・ラングレンがかつて率いたバンド、ユートピア(Utopia)が4人組だった時代のアルバムに絞ったもの。
タイトルの“愛こそ証”とは彼らの代表曲とされる“Love is the answer”の邦題だ。これをあえて冒頭に置くことで後の並びがラクになった。一般に代表作とされる壮大な『太陽神』や、ビートルズのパロディ曲集『ミート・ザ・ユートピア』などをあえて避け、粗製濫造気味だが生きのいいハーモニーばっちりのポップなロックを独断と偏見で選んでみた。約1時間半。ご堪能いただきたい。 鰯 (Sardine) 2020/11/29